あじさいや淋しき年もありぬべし

SD紫陽花②句入




 素朴といえば、これ以上ないくらいに素朴な句ですがー。

 でもね、後ろの写真がないと思って読んでください。
 なんだか一気に内面性の高い句になって、きませんか? ……きません?

 おかしいな。
 ほら、例の、子規の、有名な句。
 あの、鶏頭の、……ほらね。

 えー、やはり、ダメですかねぇ。

                             秀水


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めったにしない映画の話について(その2)

 えー、(その1)の続きであります。(その1)で申しましたことは、

  「それぞれの芸術・芸能の世界には、それぞれの世界独特の『文法』がある」

ということで、このことに気が付いた時、僕はひょっとしたら「画期的」なことに気付いたんじゃないかしらと思ったのですが、えー、落ち着いて考えますと「当たり前やんか」と思い直すに至りました。

 ま、ま、よーするに僕は、映画の「文法」が自分はあまりよくわかっていない、ということを言いたかった訳なのですが、しかし、映画評論のような本を読んでも、この辺のことはあまり書かれておらず、書かれていても印象批評程度で、ふと思ったのですが、実は評論家もよく分かっていないんじゃないか、と。

 少なくとも映画の「文法」を、よく分かる形で読者に説くことができていないんじゃないか、と。だから時々この手の評論を読んでいて、それは的はずれなほめ方、批判じゃないのかと思ったりしてしまうわけです。

 でも実は、こういった的はずれな評論は、(別に他人を道連れにするつもりはありませんが)映画評論だけじゃなく、音楽評論なんかにも多く見られるものでありますね。

 その世界(映画や音楽の世界)の初心者である僕なんかは(初心者ゆえの違和感とも言えますが、しかしこの違和感は重要だと僕は思うのですが)、読みながらその辺は半分諦めてしまって、所詮映像や音楽を文章では表せないんじゃないか、映画評論・音楽評論なんて年寄りの道楽自慢かマニア同士の自慢話でしかないと思ってしまっています。

 だって読んでいて、ちっとも実感が伝わってこない、いえ、この筆者は、そもそも文章で伝えようなんてはなから思っていないか、あるいはそのための努力をしようとは思っていないごとくの書きぶりであります。(『レ○ード芸○』の短文なんかにもそんなの多くありませんか。自己満足な文章。)
 うーん、極端ですかね。……続きます。


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文月とは文読む人の多くあれ

SD文月




 いよいよ七月ですね。
 昔から思っていたことなんですが、なぜ七月は「文」の月なんでしょうね。
 きっと何かあるんだとは思いますが、とりあえず、上品で優しい感じがいいですね。

                              秀水



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めったにしない映画の話について(その1)

 なぜか、「フーテンの寅」がマイ・ブームであります。
 いえ、厳密に言いますと、「マイ・ブームでありました。」
 ブームも今は少し、沈潜いたしております。

 そもそもなぜに「寅」? と、まー、我ながら思いはするのですが、いえ私なりに考えることもいろいろとあったんですね、これが。

 しかし普段あまり触れたことのない芸術・芸能方面について、その作品を批評するというのはけっこう難しいものですね。特にその価値判断となると、かなり難しいと思います。

 というのは結局、いろんな芸術・芸能の世界には、その世界・作品独特のいわば「文法」というものがあるということですね。
 僕がそれに気が付いたのはモーツァルトのオペラ『魔笛』を見て、それについての評論を少し読んだ時でありますが、それまで僕は、いわば、オペラを「文学的文法」とでもいうもので見ていたわけですねー。いえ、あきれられても仕方ないのですが、たぶん、まー、そうでしょう。
 でもこれはちょっと面倒な話なので、もう少し単純な例に切り替えてみます。

 いきなりですが、極めて初期の井上陽水の歌に『断絶』という作品があります。
 彼女と夜中にデートしてたら彼女の父親が突然現れて酷く怒鳴られた、という歌であります。そして大人は分かってくれないと訴える、「断絶」を説くという歌です、歌詞だけ読んでいますとね。

 でも陽水というアーティストのすごいというか、一筋縄ではいかないところは、歌詞中、怒鳴っている父親のセリフ部分のメロディ・ラインが、転がるようなピアノの旋律に乗っていて、この歌の中で最も美しい部分であるということなんですね。

 これはいったい何ですかね。
 父親のセリフに「断絶」を感じるという歌詞の主張は、このメロディ・ラインのせいで見事に覆され、客観化、あるいは「断絶」を説く主体者が批判の対象とされているという「読み」じゃないでしょうか。そしてそれを可能にしているのは、この歌の「文法」が明らかに言葉のそれとは異なっていると言うことだと思います。

 ……少し、面白いでしょ。そんなことありませんか。
 個々の作品に入る前に、もう少し、「総論」を考えてみたいと思います。
 続きます。


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潮の香を残して急ぐ驟雨かな

SD驟雨




 この俳句は去年、写真に載せてアップしました。
 今回、絵にしてみたら、少し、暗い感じになったのが、少し残念です。

                            秀水


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「わが国のホームドラマに革命を起こした不朽の名作」

   『岸辺のアルバム』山田太一(光文社文庫)

 この本も、例の「大量古書店」で買いました。
 今となっては、少し(かなり)古い小説です。
 ところがこの古い小説ですが、「わが国のホームドラマに革命を起こした不朽の名作」であります。

 なるほど、そもそもはテレビドラマのシナリオなんですね。山田太一氏ですものね。
 で、かなり評価の高い作品であったということも、僕はうすうす知っていました。

 今回読んでみて、とってもおもしろかったです。なんというか、思わず感情移入してしまうテンポのある展開には感心しました。

 主役は以下の4人のうちの誰でもいいんですが、まず中年のサラリーマンの妻が、男を作って不倫します。長女は大学生ですがタチの悪い外国人にだまされて、さらにはレイプされ妊娠、そして中絶。息子は学校の成績悪く浪人中に親父とケンカして家を飛び出てハンバーガー屋に勤め始める。そしてそのサラリーマン自身について、一筋であった会社が傾き始めて左遷の仕事をさせられる。挙げ句の果ては、やっとローンのすんだばかりの岸辺の家が、台風増水のために流されてしまうという、これでもかこれでもかという不幸の話であります……。

 しかしよくこんな話を、テレビでやっていたものだと思うんですがー。全くすごいですよね。30年ほど前の放映だそうですが、御覧になられましたでしょうか。

 というわけで、とってもおもしろかったです。
 もちろん不満な部分も結構あったりするんですが、テレビ関係の作品も侮れないのもあるんだなと思いました。(しかし巻末の解説には、もはや現在にはこのような作品はないとありました。)


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俳聖も触れし旧都の若葉かな

俳聖若葉




 先日、古都奈良は唐招提寺に行って来ました。
 いろいろと趣あるお寺の佇まいの中に、芭蕉翁の句碑がありました。
 書かれていた句は有名なこの句です。

    若葉して御目の雫拭はばや   ばせを

 そこで申し訳なくも私も腰折れを一つ。
 いえ、本当に申し訳ない腰折れでありますが……。


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今更ながら、「日本ファンタジーノベル大賞」というのがあるそうな。(後編)

  『文学賞メッタ斬り!』大森望・豊崎由美(パルコ出版)
  『鉄塔武蔵野線』銀林みのる(新潮文庫)


 さて今回は、日本ファンタジーノベル大賞第六回受賞作品の『鉄塔武蔵野線』であります。
(「日本ファンタジーノベル大賞」につきましては、前々回簡単に紹介しましたが、上記の二冊中の上の本に詳しい紹介があります。)

 この本はちょっと驚きましたね。
 読み始めて、というよりぱらぱらとページを繰るだけで、普通の小説とは違うことがありありと分かるのですが、少なくともこの小説の意匠だけについて言えば、それはおそらく世界で初めてのものでしょう。

 もちろんトータルな小説の価値とか言い出すと、ちょっと評価の難しいところもありますが、とにかく、世界で初めて(おそらく。少なくとも日本ではきっと初めて)のものに触れるという体験は、なんて言うのでしょうか、やはり「感動」としか言いようがありません。

 文庫の解説に、当時のファンタジーノベル大賞審査員であった高橋源一郎・荒俣宏・井上ひさしなど選評一部が載っているのですが、ことごとく「やられた」という思いで書かれています。
 そんな本です。とにかくあっけにとられてあきれる本です。
 一読の価値はあると思うのですか、現在絶版になっており、僕はたまたまブックオフで見つけました。

 話は変わりますが、最近の出版事情たるや、実に腹立たしいところがありますね。なにがって、文庫本すらが半年もすれば絶版になってしまうんですよ。
 (『鉄塔…』は違います。この本はもう少し古い本です。一般論として言ってます。)

 そんなこともあって、腹立たしいから新本は買ってあげないっ(と言いたいところですが、ひょっとしたらそんなことが原因の一つで、ますます現状のようになっているのかも知れません。困ったものですねー。)。
 とにかく、本が売れないからそんな状況になるのか、そんな状況を出版社が作り出したから本が売れなくなったのか、しっかりと考察していただきたいものでありますなー。

 というわけで、最後は少し腹が立つ話になってしまいましたが、『鉄塔……』は、とってもユニークな小説であります。ぜひ、ご一読を。


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紫陽花や慣れて雨中に澄ましけり

SD紫陽花雨中



 この季節、じめじめしますが、でもなかなか捨てたものでもありませんよね。

                                 秀水


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今更ながら、「日本ファンタジーノベル大賞」というのがあるそうな。(前編)

  『文学賞メッタ斬り!』大森望・豊崎由美(パルコ出版)
  『後宮小説』酒見賢一(新潮文庫)


 今となっては、少し「昔」の話になります。
 まず、上記の二冊の本の上の本、『文学賞メッタ斬り!』を読みました。
 その頃は、ちょっと売れてたようで、本屋では平積みになっていました。わりと面白かったです。

 なんだかんだ言っても僕の読書傾向なんてかなり偏っていますから、僕のストライクゾーン以外の本はどんなのがはやっていて、そしてどんなのが評価の高い本なのかよくわからなくて、本屋に行っておやっと思った本でも、すぐ購入と言うところまではいかない「ブツ」もありました。
 その点、この本はかなりの幅広さでいろんな文学賞(ただし小説)をカバーしており、いろんなジャンルの旬の本が分かってよかったです。

 (この本がわりと信じられると思ったのは谷崎賞の評価が割と高く、それは僕の感じ方と同じで、少なくとも好みということについては重なるかなと思ったのもありました。でも好みはとても大切ですよね。)

 で、この作者達の評価が高いのが「日本ファンタジーノベル大賞」であります。
 「スリップストリーム」という言葉、ご存じですか?
 なんて言うのか、ジャンルではないのですが、まぁある種の小説の区分を表すラベルみたいなものですが、「傍流小説」と訳すそうです。

 要するに、純文芸誌にいったらエンターテインメントじゃないかと言われ、じゃあエンタメかというと難しすぎてダメだと言われるような小説群だそうで、上述大賞小説にこれが多いということでした。

 で、とりあえず、第一回上記受賞作を読みました。
 冒頭の二冊中の下の本、『後宮小説』です。
 いえ、それなりに面白かったんですよ。ただね、いかんせん中国らしき国を舞台に取った時代物(作者は中国が舞台とは書いておりません、たぶんわざと。)は、なんといっても名作が目白押しですから。
 だから、面白かったけれども、まー、びっくりするほどの物でもありませんでした。
 (少し、残念。次回も、「日本ファンタジーノベル大賞」受賞作品を。)


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