切り花の桃見る朝のまだ暗し

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 暖冬暖冬と言われながら
 ここにきて、なかなか
 春まだき
 なような気が
 いたしますね……
                         秀水

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水の中のジョン・後半

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 さて前回の続きであります。
 わたくし、この手の携帯用のデジタル音楽鑑賞機器については過去にも一度買ったことがあるんですね(ノイズキャンセリングイアフォンまで買いました)。今でもきっと家の中のどこかにあると思うのですが。……で、この書き方がすでに多くを語っているように、買った当座はともかく徐々に聴かなくなってそして現在に至ってしまいました。

 なぜと言いますに、そもそも私は毎日マイカー通勤をしておりまして、またウィークエンドに電車に乗ることがあれば、そんな時は基本的に文庫本を読むという嗜好を持っていますもので、おやこれでは聴く機会がほぼないということに、買ってしばらくしてから気がつく尾籠の後知恵でありました。

 しかし今回は違います。
 泳ぎながら聴くのが主眼であり、それは、本器以外に代用するものがありません。きっと水中では文庫本は読めないでしょうし。

 よし、これは買わねばならぬと私は決心しました。しかしその代価はいかにしようと思ってふと気がついたのが、おおそうじゃ今月は我が誕生月ではないか。
 そこで一緒に電気屋さんに行っていた女房をこっちこっちと呼んで、誕生日祝いの逆指名しかも本日事前戴きを提案、何とか購入にこぎ着けたのでありました。

 そして手に入れた水中ウォークマン。さぁどんな楽曲を収録すべきか。
 上記にある以前買ったデジタル音源の時は、買った時気合を入れてブルックナーの交響曲の0番から9番まで、それにベートーヴェンの交響曲もいくつか入れたのですが、あー、暑苦しい!
 そもそもそんな謹聴を要求するような複雑な曲は外を歩きながら聴けるものではないことを、これも尾籠の後知恵、やっと学びました。

 で、結構迷ったんですが、さてここで出てくるのがもうお分かりのようにビートルズであり、中でもジョン・レノンであります。

 あのジョンの、だるそうな・不安定なボーカルが、水中のスローモーで抵抗のある緩慢な手足の動きになんとマッチすることか。
 ジョン・レノンの歌声に比べますと、水中でのポール・マッカートニーは、まるで空気が読めていないほどの自信ありげで幸福そうなボーカルであり楽曲であります。

 (ついでに触れておきますと、ジョージ・ハリスンの曲は水中で結構悪くないです。そしてリンゴ・スターの声は、……イエローサブマリンなど爆破されてしまえばいいのに。)

 さらに、それに加えまして、イアフォンの外側から骨伝導のように聴こえてくる水中のバブルの音が、ジョンの歌声に絡みつき重なりあって生み出すハーモニーは、まさに奇跡のような素晴らしさであります。

 ……うーん、さすがのジョン・レノンも、生前自分の歌がまさかこんな聴かれ方をするとは考え及ばなかったのじゃないでしょうかね。

 「我が意を得たり。」
 と、そして少なくともこれでしばらくは我流の泳ぎで行けそうだと、私は確信したのでありました。


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