学びなおしの文学理論へ

 『超入門! 現代文学理論講座』亀井秀雄・蓼沼正美(ちくまプリマー新書)

 わたくしいよいよ人生の黄昏を間近に迎え、この度よく言われるところの「学びなおし」を考えたのであります。
 そして、さて何を学びなおせばいいのかと考えまして、少々迷いもしましたがやはり一番好きな学問は文学かな、と思い至りました。

 今「人生の黄昏」と書きましたが、実際のところあれこれ煩わしいこともまだありまして、もう少しの間は結構忙しい、と。
 しかし、その日々の終了を待ってからというのではちょっと遅いのではないかという気もありまして、そうだ予習をしようと思い立ったのであります。

 実はわたくし、結構予習の好きなタイプなんですね。
 いえ、学生時代の頃の勉強については、まったくそうではありませんでした。
 おそらく多くの方々と同様に、予習復習なんて大嫌い学生でした。

 予習が好きなのは、趣味の活動についてなんですね。
 例えば、今度コンサートでブルックナーの交響曲を聴きに行くとなりますと、朝比奈隆のCDを先に聴いてみるとか、モディリアーニ展に行く前にちょっとネットで調べてみるとかであります。

 文庫本を買う時に、解説を先に読む方がいらっしゃると思いますが、わたくしもそのタイプでして、これはまぁ、言ってみれば「予習」をしているわけですね。
 だから、予習好きな方は本当は世間には結構いらっしゃるはずだ、と。

 ということで、この度わたくしは何冊かの文学理論の本を読んでみました。
 思い返せば、文学理論なんて大学時代にも誰にも教えてもらわなかったような気がします。あるいは積極的に学べば、その時代にも学べたのかもしれませんが、いかんせんその頃は「予習復習大嫌い学生」でしたので、うーん、無駄な日々を送っていたものですなー。(そして、現在においても多分同様。)

 だから、当面は極めて極めて初心者用の本をチョイスしようということで、とりあえず本屋さんの棚で眼についた冒頭の本書を選んだわけです。

 本書に書かれている「文学理論」はとりあえず4つでありまして、

 「ロシア・フォルマリズム」「言語行為論」「読書行為論」「昔話形態学」

 と、順に説明されているのですが、細かい部分は置いて一言で言いますと、作品の表現を可能な限り作者から独立させて、作者を外したところで様々なもの(社会情勢とか先行するあるいは同時代の文学作品とか心理学とか)と比較しながら読んでいこうというものです。(たぶん。)

 なるほどねぇ。確かにこうしたほうが学問ぽくはなりそうな気がしますね。
 作品理解について作者の考えこそを最重要要素としてしまうと、特に現存の作者の作品については、何を論じても作者の鶴の一声で決定してしまい、学問的客観性がもたない気がします。

 という「文学理論」の本でした。
 「超入門」ですから。
 これから、おいおい、難解なものに……。(「難解」は、たぶん、ないな。頭がもちません。)

 最後に少しだけ別のことをいいますと、私が本書を選択したのは前書きに中島敦の名作『山月記』について、あっと思うような読みが書かれていたからでもあります。
 しかしこれについては、説明が少々煩瑣になりそうなので控えておきます。
 でも、本当にあっと思うような読み方だったんですよ。


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春雪を連れ立つ妻と語りけり

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 久しぶりに連れ立って出ようとすると
 舞い始める雪というのは、
 きっと、
 話題を提供してくれているんですね。

                           秀水


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