『バッハの四季』樋口隆一 を読んでみました。

  『バッハの四季』樋口隆一(平凡社ライブラリー)

 そもそも性格からして私は、熱しやすく冷めやすいところがありまして。
 数年前、20年ぶりくらいに音楽を聴くようになって、毎日バッハ浸りでありました。
 バッハしか聴かない。そういったかたくなさが、実は、私の性格にあるんですね。困ったものです。

   真鶴や元禄生まれのピアノ弾き

 という俳句を、少し前に作りました。バッハをイメージして作った俳句です。しかし、細かいところはバッハの史実と違っていますね。

 今、ちょっと調べたんですが、バッハ(1685~1750)の生存期間は、日本で言えば貞享2年~寛延3年になります。徳川将軍で言えば、5代将軍綱吉から暴れん坊将軍を過ぎて9代将軍家重の時、ということになりますね。だから元禄時代は、バッハにとっては幼少年期です。まぁ当たらずといえども遠からずです。

 もう一つの間違いは、「ピアノ弾き」で、この時代まだピアノはなかったですね。バッハは天才的なオルガン弾きであったようです。

 ともあれ、改めて驚くのは、西洋音楽の恐るべき伝統であります。日本では、三味線とか太鼓とか、そんなモンしかなかった時代に、例えば『ブランデンブルグ協奏曲』ですから。

 そういえば、オランダの画家フェルメールは、徳川家康と同時代人であります。あのリアリズムの極地のような絵画が、関ヶ原の頃にはすでにヨーロッパでは書かれていたわけです。

 西洋音楽・西洋絵画について考えるとき、かつて夏目漱石がロンドンで発狂するほどに悩み、そして、講演『現代日本の開化』や『私の個人主義』で述べた、ヨーロッパ文明と日本文化との遙かな乖離に抱いた暗澹たる思いも、全く宜なるかなであります。
 うーむ、めまいがしそうですね。

 さて、上記の本ですが、この本は、バッハの作品を狂言回しにしながら、ドイツの四季を書いたエッセイで、なかなか心地よかったです。
 当たり前の話なのですが、やはりドイツにも民衆がいて、地域とか季節感に密着した伝統的文化があることを、改めて知りましたね。
 こんな本を読んでいると、その国に行きたくなりますね。なかなかいい本でした。


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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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