すごく風通しのよい爽やかな国

  『草原の記』司馬遼太郎(新潮文庫)

 これはモンゴルの話なんですね。特に主人公はいません。同作者の『街道を行く』シリーズみたいなもので、歴史と風土の関係性、いわゆる「お国柄」を書いたものです。

 読み終えて、僕はモンゴルについてほとんど知識がないので、バイアスの懸かった見方をしているのかも知れませんが、「モンゴル」ってすごく風通しのよい爽やかな国、国民、と想像してしまいました。
 なんかとってもいい感じなんですね、僕としましては。
 その感覚の分析が、さらに本書に書いてあります。

 それは、国家に対しては「負」の方向に働いてしまいましたが、まれにみる人種としての美質、すなわち「寡欲」がその正体であります。
 信じがたいような「寡欲」の例がこの本に書いてあるのですが、作者はこの「財産が何であろう、金銭が何であろう、この世にあるものはすべて過ぎゆく」というモンゴル人の感覚を、「透明な厭世主義」と呼んでいます。
 そしてこの人種的属性は、中国にはまれで、東アジアの中では、むしろ極東の日本に文化の底流として息づいていると説いています。
 うーん、さすがに司馬遼太郎は上手に書きますね。(司馬氏は大阪外国語大学の蒙古学科出身であります。)

 この辺に、僕のモンゴルに対する好感の源があると思いました。
 もっとも、少し前の朝日新聞に、モンゴルも今や激しい貧富の差に直面しており、国全体がぎくしゃくしているといった記事が載ってありました。

 モンゴル出身の、一アスリートの話題に思ったことなど。


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

テーマ : 読書記録 - ジャンル : 小説・文学

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)