今回も村上春樹ですが、ファンの方は読まないように。(少し「過激」です。)

  『翻訳夜話』村上春樹・柴田元幸(文春新書)

 この本は思っていたよりもずっと前に出ていた本なんですね。この度たまたまブックオフで100円で売っていたので買いましたが、村上春樹がまだ『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を訳していない頃のお話です。

 柴田元幸という人はポール・オースターの訳で知っていましたが、翻訳家兼大学教授ですね。かたや村上春樹。この二人が仲良さそうに翻訳についてあれこれ喋っているんです。

 ……が、これやこれやこれやこれ。これが僕が以前から感じていた不満なんですね。

 この二人の話、よく読んでいくと、翻訳に対する個人的な思いというものが全然噛み合っていないんですね。それは当たり前な話で、それはひとえに、村上春樹が小説家であるせいであります。

 僕のこの感想を、極端に過激に(あえて何恐れることなく!)書くと、

 「おい、もっとしっかりせーよ、素人にえーよーに振り回されとって、それでもあんたら翻訳のプロか」と。

 村上春樹が言っているんですが、自分にとって翻訳とは「究極の精読」であると。

 芸術方面ってのは、こういった自己探求がそのまま優れた文学作品となることは良くあるでしょうが、翻訳家もそれでいいのかという気がしますね。

 翻訳家とは何よりも優れた技術職人であるような気がするんですが、そうじゃないんでしょうかね。(確か太宰がそんなこと言っていますね。)

 村上春樹が自らの小説のために翻訳に励んでいることに対して、まー、ケンカをふっかけよとは言いませんが(村上春樹は翻訳の素人とも言い切れませんが)、もうちょっと、柴田氏は翻訳のプロらしい展開ができなかったものでしょうかね。
 (僕は間違っているでしょうかね。……んー、たぶん間違っているんでしょうね。)

 でも、そんな気がしました。


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テーマ : 読書記録 - ジャンル : 小説・文学

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