今更ながら、「日本ファンタジーノベル大賞」というのがあるそうな。(後編)

  『文学賞メッタ斬り!』大森望・豊崎由美(パルコ出版)
  『鉄塔武蔵野線』銀林みのる(新潮文庫)


 さて今回は、日本ファンタジーノベル大賞第六回受賞作品の『鉄塔武蔵野線』であります。
(「日本ファンタジーノベル大賞」につきましては、前々回簡単に紹介しましたが、上記の二冊中の上の本に詳しい紹介があります。)

 この本はちょっと驚きましたね。
 読み始めて、というよりぱらぱらとページを繰るだけで、普通の小説とは違うことがありありと分かるのですが、少なくともこの小説の意匠だけについて言えば、それはおそらく世界で初めてのものでしょう。

 もちろんトータルな小説の価値とか言い出すと、ちょっと評価の難しいところもありますが、とにかく、世界で初めて(おそらく。少なくとも日本ではきっと初めて)のものに触れるという体験は、なんて言うのでしょうか、やはり「感動」としか言いようがありません。

 文庫の解説に、当時のファンタジーノベル大賞審査員であった高橋源一郎・荒俣宏・井上ひさしなど選評一部が載っているのですが、ことごとく「やられた」という思いで書かれています。
 そんな本です。とにかくあっけにとられてあきれる本です。
 一読の価値はあると思うのですか、現在絶版になっており、僕はたまたまブックオフで見つけました。

 話は変わりますが、最近の出版事情たるや、実に腹立たしいところがありますね。なにがって、文庫本すらが半年もすれば絶版になってしまうんですよ。
 (『鉄塔…』は違います。この本はもう少し古い本です。一般論として言ってます。)

 そんなこともあって、腹立たしいから新本は買ってあげないっ(と言いたいところですが、ひょっとしたらそんなことが原因の一つで、ますます現状のようになっているのかも知れません。困ったものですねー。)。
 とにかく、本が売れないからそんな状況になるのか、そんな状況を出版社が作り出したから本が売れなくなったのか、しっかりと考察していただきたいものでありますなー。

 というわけで、最後は少し腹が立つ話になってしまいましたが、『鉄塔……』は、とってもユニークな小説であります。ぜひ、ご一読を。


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テーマ : 読書記録 - ジャンル : 小説・文学

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