「わが国のホームドラマに革命を起こした不朽の名作」

   『岸辺のアルバム』山田太一(光文社文庫)

 この本も、例の「大量古書店」で買いました。
 今となっては、少し(かなり)古い小説です。
 ところがこの古い小説ですが、「わが国のホームドラマに革命を起こした不朽の名作」であります。

 なるほど、そもそもはテレビドラマのシナリオなんですね。山田太一氏ですものね。
 で、かなり評価の高い作品であったということも、僕はうすうす知っていました。

 今回読んでみて、とってもおもしろかったです。なんというか、思わず感情移入してしまうテンポのある展開には感心しました。

 主役は以下の4人のうちの誰でもいいんですが、まず中年のサラリーマンの妻が、男を作って不倫します。長女は大学生ですがタチの悪い外国人にだまされて、さらにはレイプされ妊娠、そして中絶。息子は学校の成績悪く浪人中に親父とケンカして家を飛び出てハンバーガー屋に勤め始める。そしてそのサラリーマン自身について、一筋であった会社が傾き始めて左遷の仕事をさせられる。挙げ句の果ては、やっとローンのすんだばかりの岸辺の家が、台風増水のために流されてしまうという、これでもかこれでもかという不幸の話であります……。

 しかしよくこんな話を、テレビでやっていたものだと思うんですがー。全くすごいですよね。30年ほど前の放映だそうですが、御覧になられましたでしょうか。

 というわけで、とってもおもしろかったです。
 もちろん不満な部分も結構あったりするんですが、テレビ関係の作品も侮れないのもあるんだなと思いました。(しかし巻末の解説には、もはや現在にはこのような作品はないとありました。)


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テーマ : 読書記録 - ジャンル : 小説・文学

コメント

Re: No title

 お夕さん、コメント有り難うございます。
 御覧になっていたんですか、リアルタイムで。

 「内容はかなりハードでしたが、映像はなぜか爽やかなものがあったような気がします。」というご感想は、なるほどなと思いますね。
 やはりテレビドラマですものね。そういうのがなければ、やはりダメでしょうからね。
 貴重な、リアルタイム報告、有り難うございました。

No title

こんばんは。

当時の記憶はほとんどないのですが、観てました、リアルタイムで。
内容はかなりハードでしたが、映像はなぜか爽やかなものがあったような気がします。
どんな家庭でも一つや二つ、ここまでは行かないにしても修羅場はあったと思いますよ。公言しないだけで。

現代版「岸辺のアルバム」は、どんなシーンが用意されるんでしょうね。
もはや、「アルバム」という言葉が死語になりつつあるのかもしれませんが……。

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