実に困ったピアノ鑑賞

 先日も私は、家の比較的近くにあるコンサート・ホールでピアノを聴いてきました。
 なかなか雰囲気のあるいい演奏だったと思いますが、思わぬとんでもない方面から今回の私のピアノ鑑賞に「邪魔」(?)が入り、とっても困ったという顛末を一つ。

 実は私は先週、『指揮のおけいこ』岩城宏之(文集文庫)という本を読んでいたんですね。
 岩城氏はすでに亡くなられましたが、生前は本業の音楽活動に加え、著述についても意欲的にいろいろなさっていました。(ダイエットの本までありましたよ。)
 私も何冊か読みましたが、さて今回読んでいた岩城氏の本の中に、音楽家の職業病について触れているところがありまして、そこにピアニストについても書かれてあったんですね。

 ピアニストは全体的には長寿の方が多いということですが、フォルテシモで鍵盤を叩く時、必ずや頭部を含む上半身が後ろに反り返る、これが逆に前方に屈まる人は皆無である、とありまして(ここ、思わず笑ってしまいました。もしもフォルテシモの時前方に屈まると笑いますよね)、フォルテシモの際の衝撃について書かれてありました。

 頭部がパァンと反り返る時、脳に少なくない衝撃が伝わり、小さな脳しんとうが起こっているのだと言います。
 そうなんだー。すごいものですねー。

 というところを読んでいたもので、何となくそう思ってピアニストを見ていますと、なるほどフォルテシモの度に、頭部が弾かれる如く後方に反り返るではありませんか。
 私はそのたびに「あっ脳しんとう。あっ脳しんとう。また脳しんとう。またまた脳しんとう。またまたまた脳しんとう。」
 と心の中で呟き、全く気が気ではなくハラハラし通しで、その結果、優雅なピアノ・ソナタの鑑賞が、ばらばらのブツ切れにされてしまいました。

 ……うーん、岩城宏之氏の本は、私好きなんですがねー、今回につきましては、読む個所をよく選んでから音楽会に行くべきであったと、つくづく思いました。やれやれ。


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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

コメント

Re: No title

 フランス組曲さん、重ねてのコメントありがとうございます。
 マーラー、がんばります。

No title

マーラーの記事を楽しみにしています。
ありがとうございます♪

Re: 実に困ったピアノ鑑賞

 フランス組曲さん、いつもコメントありがとうございます。
 私の最近のクラシック音楽の傾向は交響曲なんですが、ピアノソナタというのは、時々もーれつに聴きたくなることがありますね。そんなことってないですか。
 というわけで、近々書いてみたいなと思っているのは、マーラーの事なんですが、いつもご愛読本当にありがとうございます。

実に困ったピアノ鑑賞

秀水小田敦さん、おはようございます。

最近、ピアノ・ソナタの鑑賞をよくするもので、
こちらのブログを参考にさせて頂こうと
記事を読んでいまして…。

以前も拝見したのですが
今朝、通勤中の電車の中で
『フォルテシモで鍵盤を叩く時、
必ず や頭部を含む上半身が後ろに反り返る』
のところで、笑いをこらえていました。
わかります。
でも、何度読んでも可笑しくて(>_<)

最近も、ピアノソナタはお聴きになって
いらっしゃますか?
音楽のブログをまたお願いします。
楽しみにしてますので♪

私は最近、
D.スカルラッティのK.13(L 486)
ピアノ:グレン・グレート
がお気に入りでよく聴いています。

いつも私事ばかりですみません。

Re: こんばんは。

 南亭さん、コメントありがとうございます。
 過分のお褒めの言葉ありがとうございました。しかしながら、南亭さんのブログの、小沢征爾についての感動的な記事に比べ、私の話は岩城氏に申し訳ないようなフヌケタ話であります。(情けない。)
 一方、我が家の本立てについてのご質問ですが、あれは書庫でも何でもなく、十年ほど前に家を改築した時、以前から欲しかった部屋に作りつけの本立てを三本作った、それであります。(女房からは物入りだったと、未だにぶつぶつ言われています。)
 そんなわけで、大学の先生でも何でもありません。はい。

こんばんは。

うーむ。うまい!
そのさらりとした、見事なまとめかた。
とうていかなうものではありません。
ところでこういう質問はぶしつけかと思いますが、時々拝見する名句の背景に、素晴らしい書庫が映っていますね。全集がびしりと綺麗に並び、それは見事な文学者の部屋のようです。
もしかしたら秀水さんは、教職(多分大学でしょうか)であられるのかと、推測するほどです。貧しい想像力で申し上げてすみません。

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