ページから音楽が聞こえてくるような

  『のだめカンタービレ・1~25巻』二ノ宮知子(講談社)

 纏まって一気に漫画を読み終えるというのは久しぶりの体験です。
 私が漫画をもっぱら読んでいたのは、んー、高校二年生くらいまででしたかね。それ以降は、何というか、あまり読んでいません。

 これは全く個人的な趣味の変化です。例えばかつて私は、かなりディープに熱帯魚を飼っていたことがあるのですが、今は、家の坪庭の鉢に二匹、金魚を飼っているばかりです。
 特に理由はないんですが、あえて言えば阪神淡路大震災が、この趣味が無くなった事に少しは影を落としているでしょうか。

 変な話になりましたが、『のだめカンタービレ』の話であります。
 そもそもわたくし、「はやりもの」は大概はやりの終わった頃に初めて手にします。そんなどんくさい性分なんですね。
 そもそもこの漫画を、わたくし最初は、知人の女性にこんな風に紹介されました。

 「ページから音楽が聞こえてくるような漫画ですよ。」

 でも、そういわれても長く手に取らなかったのですが、先日、公立の音楽高校生徒によるクラシックのミニ・コンサートに行ったら、出演者である女子高生の多くが、作品紹介の時にささっとこの漫画のタイトルに触れていくんですね。

 なるほど、そんな漫画なんだと認識を新たにしまして、ネットで調べますと、いわゆる「大人買い」ができるということでセットで買いました。
 そしてどさっと家にやってきた漫画本を、先日の週末一気に読みました。

 いやー、面白かったです。
 残念ながら、私にはページから音楽は聞こえてはきませんでしたが、それでもそんなこととは関係なく、とっても面白かったです。

 おもしろいなーおもしろいなーとおもしろがりながら読んでいますと、当たり前ながら全25巻の本ですから25巻目には終わるんですね。(実は「本編」は23巻目に終わっているんですが。)

 その時私は、突然「おやっ?」と感じてしまいます。
 えっ? このお話って終わってしまうんだ、と。

 これってきっと、私がとっても面白がって作品を読んだということですよね。
 かつて小説家の丸谷才一が、少年時代とにかく長い小説を読むことを好んだ。小説が終わることが嫌だった、という趣旨のことを書いていたのを思い出します。

 この音楽漫画はそんな、お話が終わることに「違和感」を持ってしまうような面白い漫画でした。
 今更ながら、当たり前でしょうが、娯楽作品においてベスト・セラーはあなどれませんねー。


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テーマ : 読書記録 - ジャンル : 小説・文学

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