村上春樹の文章の「ツボ」を探る。

  『おおきなかぶ、むずかしいアボガド』村上春樹(マガジンハウス)

 今や日本が世界に誇る数少ない小説家になってしまいました村上春樹の新刊を読んでみました。
 新刊といっても、エッセイ集ですし、筆者自身も「まえがき」で書いている「気楽」な文章なんですが、でも、とっても上手ですね。

 いえ、めちゃめちゃ上手ですよ。
 一体この上手さは何なのかなと、わたくし、読みながら始終思っていました。
 例えば、こんな風に書いてあります。

 おにぎりで言えば、お米を選んで注意深く炊きあげ、適当な力をこめて簡潔にぎゅっと握る。そういう風に作られたおにぎりは、誰が食べてもおいしいですよね。文章も同じでもそれがしっかり「握られ」てさえいれば、性差や年齢差を超えて、そこにある気持ちはわりにすんなり伝わっていくものではないかと、まあ楽観的に考えています。間違っていたら申し訳ないけど。

 ここには、村上春樹の、エッセイの文章に向かう時の心構えみたいなものが書かれてありますね。
 まず、これを書いている文章が、すでにとっても上手であります。
 なかなかこうはすっきり明快に書けるものではありません。(まぁ、相手はメジャー級のプロの物書きだから、当たり前といっちゃ当たり前なんですが。)

 よく読めばこのあたりが「ツボ」ですかね。

 「お米を選んで注意深く炊きあげ、適当な力をこめて簡潔にぎゅっと握る」

 これは比喩表現になっている部分ですから、その比喩を取っ払って、「意味」だけを無味乾燥に抜き出すとこんな感じですかね。

  (1)材料の選択を、丁寧にきちんと行いましょう。
  (2)材料の取り上げ方(「構成」でしょうかねー)を、しっかり考えましょう。
  (3)ストーリーや文体など、強弱・緩急の自然な流れを心がけましょう。


 しかしこれだけで、「なるほど、文章のツボはそうだったのかっ!」と分かったわけでは、全然ないですね。
 当たり前のことが、まー、書かれているだけであります。
 これがどうしたら上手に出来るかが大切なんでしょうにと、つい愚痴っぽくなってしまいます。

 しかし本書の別の部分に、そのことについて、つまり上記の(1)~(3)がどうすればうまくできるかについて、なんと、書かれているではありませんか!

 えー、続きます。(ここで、続くかー。)


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テーマ : 読書記録 - ジャンル : 小説・文学

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