まったく「まったく今の若い者は…」って

  『ツチヤ学部長の弁明』土屋賢二(講談社文庫)

 思い起こしてみれば、ツチヤ教授のツチヤ節も長いですね。
 文春文庫から第一作目が出てから、もう十年以上にもなりますものね。

 最初は面白かったですねー。理路整然とした論理展開が、その理路整然故に拗くれ返る破壊力に、本当に腹を抱えて笑いましたものねー。
 しかし、少々、最近は「マンネリ」ぎみかな、と。いえ少々、申し訳ないながら。

 私はいつも文庫本ですが、新しいのが出るとつい手にとって買ってしまいます。
 この「つい手を取らせる」力というのも、そう考えると実に立派な「芸」ですよね。
 うーん、すばらしい。

 今回も、そんな一環みたいな感じで本書を読みましたが、中にちょっと面白いことが書いてありましたのでご紹介しますね。

 『社会人がもつべき最低限の知的能力』というエッセイなんですね。
 このエッセイには、時々話題になっている、特に最近はその「成績降下」が注目されて、各界から日本の未来を憂えられている、あるいは教育現場を批判・断罪する格好の材料となっている、「経済協力開発機構」の行なっている「PISAテスト」が、取り上げられています。

 このテストのこと、私も新聞やテレビでニュースを見たことが確かにあります。
 そして、そんなニュースのトーンは、かつて成績良好であった日本の若者の知力が、ここ数年、世界の中でどんどん他の国に抜かれつつある、といったものであったように思います。

 だけどよく考えてみれば、そのテストが一体どういったものか、はっきり言って、私は全く知らないで「今の若い者にも困ったものだなー」と思っていたのですが、それってきっと、私だけではないですよね。ですよね。
 PISAのテストに、どんな問題が出ているか知っている人って、どれだけいるでしょうか。

 今回、このエッセイを読んで私が思った、そして、反省したことのひとつがそれであります。
 自分で実際に確認もしないで、他人の意見を鵜呑みにして、そして、批判することの愚かさと恐ろしさ。
 (それに、「今の若い者は…」というフレーズは老化の始まりだとは分かっていながら、つい手軽に取ってしまいかねない意識ですものねー。これこそ本当に困ったものです。)

 なんだか「重い」話なのかなと思っちゃいそうですが、そこはそれ、「ツチヤ節」の「芸」ですから、PISAテストについて、とっても面白く書いてくれています。
 そのうちの少しだけ、紹介してみますね。

 ……ってところで、続きます。


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テーマ : 読書記録 - ジャンル : 小説・文学

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