良い会社と日本的雇用システムの正体

  『リストラと能力主義』森永卓郎(講談社現代新書)

 さて、前々回の続きであります。
 前々回述べていましたのは、上記の本を読みつつ私は数年前に行った佐高信氏の講演会のことを思い出していたと言うことでありました。
 その講演会の内容は、サビの部分だけを書きますと、

 「『良い会社』こそが人を殺す、素直が人を殺す、真面目が人を殺す、ということを正面から考えるべきである。」

とまぁ、こんな話ですかね。
 聞いていてかなり説得力があったと思います。佐高氏は、過労死被害者家族救済の会みたいなのに入っていて(数年前のことです。今でもそうなのかは確認していません。)、過労死で息子を亡くしたお母さんの話なんかも述べていましたが、その話もなかなか聞き応えがありました。

 そしてそれから数年、特に今年の3月の未曾有の大災害と、連動して「人災」と言われている大災害が起こり、改めて「『良い会社』こそが人を殺す、素直が人を殺す、真面目が人を殺す」という言葉を重ね合わせてみると、なんか凄い「予言」であったような気までしてしまいそうであります。

 が、しかし、そちらの方面の話は少し置いておきまして、本来の冒頭にある読書報告報告に話は進んでいきます。

 さて、冒頭の本の読後感です。前半はさほどでもない感じだったんですが、中盤あたりからがぜん面白くなってきました。
 「日本的雇用システムの正体」という章題の所ですが、いくつかのことを私は初めて知りました。例えば、

 (1)年収格差をよく言われるが、同じ企業内ではかなり強力な所得の再分配がなされている。
 (2)しかしそれは労働者にとってプラスの材料なのではなく、その「小さな格差」こそが、過労死にまで至るサラリーマン社会の激しい競争を生んでいる。
 (3)その競争相手は「同期」という存在であり、日本企業が新卒一括採用にこだわる大きな理由の一つが、この競争集団を作ることにある。

 そもそも経済のこととかはほとんど知らない私でありますゆえ、ひょっとしたらこんなことは「常識」なのかも知れませんが、なかなかスリリングな内容でした。

 でもやはり、上記の佐高信氏の話は本当だなぁとつくづく思いましたね。
 やはり十分肝に銘ずべきことかも知れないなーと思いつつ、しかしふと、そうかといって私にはもはやどうにもしようもないではないかと、「加齢」のせいでぼやけた頭で、感じた次第でありました。


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テーマ : 読書記録 - ジャンル : 小説・文学

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