もと暴走族リーダーの講演会

 これも今となっては昔の話ですが、うちの子供がまだ高校生の頃、学校から講演会の案内プリントが来ました。「同和講演会」、ってんですかね、それともそんな言い方ではなかったかもしれません、とにかくそんな案内が来まして、たまたま私は暇だったもので、ふらふらと聞きに行きました。

 というのも、演題並びに講師の方がおもしろそうだったからであります。冒頭のお方でありますね。いえ、実際、なかなかよかったです。

 生徒達も実にシーンと聞いていました。生徒達って、いつもあんなに静かに講演会なんかに参加しているものなんですかね。やはり講演者が、よかったからだと思います。つまりまだ20代後半くらいの若い男性で、もと暴走族のリーダーというのが。

 パワーポイントを使いながら講演でしたが、私は見ていて、パワーポイントで感心するような説得力・表現力というのを初めて見ましたね。
 例えば仕事で、はやりのプレゼンなんちゃらかんちゃらの会議に出ますと、大抵パワーポイントによる説明ですよね。もちろん便利なことは便利なんでしょうが、まぁ、こんなものだろうという想定内の感想を持つものばかりであります。
 しかし、今回の講演でのパワーポイントは、まさにこのソフトの「パワー」を感じさせるものでありました。

 でもそれも、パワーポイントの力量というよりは、語られた内容によるものでありましょう。というのも、使い方そのものは極めてポピュラーな、講演者の話題の中心を画面に掲げながら、その内容・感想などをその時どきに箇条書きで写していくというものに過ぎなかったからです。

 有効だったのは、その時々に差し挟まれる写真や動画で、それが例えば、暴走族のリーダーというイメージそのままの、つなぎの服を着て、額の髪の生え際には剃り込みを入れ、いかにもという凶悪そうな視線で上目遣いに睨んでいる写真であったり(講演者は隣で「あ、これが17の時の私です」とか言ってるわけです)、遠足の時の集合写真みたいなものが写ったなと思ったら「これは、暴走族グループとレディースのリーダーの集まりです。一列目真ん中が私です」とかコメントが付いたり、実際の暴走時のビデオが流れたりして、それはそれは実に迫力のあるものでした。

 ということで、生徒達も私たちさほど多くなかった保護者達も、とっても一生懸命に話を聞いていました。近来まれなクリーン・ヒットの講演会でした。

 ……で、もう一つ感想ですが、やはりどの世界でも、一定の「頭の良さ」というのか、そんなものが必要なんだなと思いましたね。

 暴走族の世界から抜ける時の大変だった話もなさったのですが、その際、いっしょに抜けて更生できた者と、一方それができずに、さらに本格的なヤクザの世界に入って、覚醒剤などにのめり込み廃人同様になってしまった者が、やはりいるんですね。
 では、その境目はいったいどこなのか。

 いちがいには言えないようですが、また講師がストレートにそうおっしゃったわけではないですが、私は聞いていて、これじゃないかと思いました。つまり、

 「経験から学ぶことのできる力、言い換えると、生きるための『学力』の差」

 ……うーん、そう考えると、なかなか恐いものでありますね。


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