リザ・ウォルフは好演すれど……。

   篠田正浩監督、郷ひろみ主演『舞姫』

 さて前々回は、上記のDVDを私がとっても楽しく鑑賞しました、って所まで書きました。(ちょっとニュアンスが異なっているかも知れませんが、まぁ、いいか。)

 でも、本当にとても面白かったのですが、その鑑賞が終わった後、私はごそごそと原作である森鴎外の『舞姫』を取り出しました。
 実は、つい最近、私はこの小説を読んでいたんですね。

 例えば、鴎外は主人公「太田豊太郎」を、法学を学ぶために留学したとしているのですが、映画では医学生となっています。
 この変更は、よく理由が分からなかったですね。
 もちろん原作者森鴎外は、医学生としてドイツに留学しているのですが、それに倣う必要は特にないと思います。それどころか、医学生にしたことで、豊太郎が医学を取るかエリスを取るかの選択がやや不自然に感じられました。これが法学だと、原文に書かれてある「むかしの法令条目の枯葉を紙上に掻き寄せし」という表現(死んだ知識としての法学よりもエリス)が生きてくるんですがね。

 また、エリスの容色を捉えて鴎外はこのように書いています。

 「常ならず軽き、掌上の舞をもなしえつべき少女」

 エリス役はリザ・ウォルフという女優が演じているのですが、なかなか好演だとは思うんですが、さすがに「掌上の舞」のイメージはムリですねー。

 というより、先日私は芥川龍之介の『舞踏会』という小説を読んでいて、突然、これこそが「掌上の舞をもなしえつべき少女」だと思いました。
 それは、明治時代、鹿鳴館で行われた舞踏会にやって来たピエール・ロティが、日本少女と踊るという話ですが、彼が日本女性の人形のような美しさに感動するシーンを読んでいきなり気づいたのであります。
 「掌上の舞」とは、西洋人が日本の踊り子に対して用いるべき表現ですよねー。

 と、こんな細かな小説と映画の相違を挙げていけば切りがないのですが、私が本当に挙げたかったのは、これではありません。
 作品の世界観の根幹に関わる相違を見つけた(!)という話でありますが、……えー、次回に続きます。
 すみません。


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