新たに分け入る初々しい世界

 私は一時期熱帯魚飼育を趣味としていたことがありました。
 どの趣味の世界にも、筋金入りという感じの「マニア」な方がいるものですが、この世界にもやはり例に漏れずディープな方がたくさんいらっしゃいます。
 そしてそんな方々を対象とする専門雑誌があるんですね。そしてそんな雑誌には必ず、読者の自慢のお宝拝見みたいなコーナーがあります。

 オーディオマニアなら自慢のオーディオセットがそうであるように、熱帯魚マニアの自慢のアクアリウムを、どーんと全国のマニアに紹介するというコーナーですね。
 まー、何といいますか、凄い人が世の中にはいっぱいいるということでしょうが、よーするにそれはすっごいお金がかかっているということでもあります。

 軟弱熱帯魚マニアであった私も(その後この趣味は廃棄してしまいました)、そんなお金のかかった豪華絢爛水槽を毎号毎号拝見していたのですが、ある時、まるで小学生がお祭りの金魚すくいで手に入れた金魚をそのまま水槽に入れただけという感じの、何の飾りもない小さな水槽が紹介された時がありました。

 この時は、はっとさせられましたねー。
 実はこの記事のポイントは、その素朴な水槽の持ち主がほやほやの新婚さんで、これから二人で新しい生活と共に観賞魚趣味を築いていくというコンセプトだったわけです。
 つまり、これから二人で奥深い観賞魚=熱帯魚趣味の世界に、手に手を取って分け入っていこうとする初々しさがいいんですよねー。
 それは今に至るまでこの記事を私が覚えていることからも、かなり印象的だった事が分かります。

 さて残り行数も少なくなって、いきなり話がどこに飛ぶかというと、実はハイドンのことであります。
 先日ネットであまり何も考えずに買ったS・クイケン/ラ・プティット・バンドのハイドンの交響曲集(5CD)を聴いていたら、俄然ハイドンが素晴らしいこと、極めて高い精神性を持っていることに今更ながら激しく気が付き、少し戸惑っている(もちろん悦んでもいる)という話であります。

 今まで私は一体ハイドンの何を聴いていたのか。
 まー、元々音楽鑑賞能力については遙かに人後に落ちる事を自負している私ではありますが、このあまりに唖然とした驚きが、この度連想し連想していった先が、冒頭の話であったという顛末なんですが、うまくまとまりましたでしょうか。
 もはや私に初々しさは伴いはしますまいが、今更ながらハイドン交響曲の奥深い音楽の森に、これから改めて分け入っていきたいと思うものであります。

 しかし考えるまでもなく、先達にはバッハが堂々と控えており、同時代人としては懇意にしていたモーツァルトよりも長生きをしたハイドンが、「交響曲の父」と呼ばれているのは看板だけのはずもありません。
 本当に、わがクラシック音楽鑑賞生活、貧弱で情けない限りであります。


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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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