芸術の功徳

 先日久し振りに演劇鑑賞をしてきました。比較的お若い役者さん達が、劇作家・別役実の作品を上演なさっていましたが、あれは児童劇なんでしょうかね。

 そもそも大概ものを知らない私ではありますが、今書いた「児童劇」という言葉は正しいのでしょうか。また「児童演劇」と言う言葉も聞いたことがありそうですが、これは正しいのでしょうかね。

 「児童劇」とは、一方で児童が演じるお芝居のことを言っているような気もしますが、私の見てきたものは、大人が児童のために演じている劇でありましょう、たぶん。
 (ついでの話しながら「児童文学」という言葉は、こんな混乱はあまりもたらしていません。なぜなら児童自身はあまり優れた文学作品を作れないからです。)

 実はわたくし、この度本演劇が「児童劇」とは知らずにチケットを買って見に行ったんですね。で、上演場所に行って、観客として子どもが大人の2倍くらいの人数で(わいわいがやがやと)いることに、そして大人というのも、そのほとんどが若いお母さんであることに気が付いて少々びっくりし、はっきり言って、自分が場違いである感じが大いにしたのであります。

 しかし劇が始まってしまうと、そんな児童劇と普通の演劇の違いはほぼ感じなくなりました。
 というのも、これは評価の仕方によるとは思いますが、ある一面で言いますと、現代演劇はかつての演劇からどんどん「意味」が剥がされていって、「感覚」や「現象」だけのようになってきている気がするからです。

 舞台上にあるものが「意味」ではなくなり、「現象」になってしまえば、それを見る側にはほぼ年齢による理解度の差(そもそもこんな言葉自体がそぐわなくなっているようですが)はなくなっていきます。ちょうど、今年あった天体現象「皆既日食」の鑑賞のように。

 ともあれ、そんな感じのするお芝居でした。
 元々が『不思議の国のアリス』を「本歌取り」した作品でありましたので、日本不条理演劇の元祖のような別役実の台本でなくても、言葉遊び・ナンセンスなどが充ちています。
 実は私、先日来仕事上のことで、どうも面白くない事がありましたもので、こんな現実世界から見事に浮遊した作品は、ある意味とてもありがたく、なかなか楽しいひとときを過ごすことが出来ました。

 これはやはり芸術作品のありがたさですね。
 昔「ピカソ展」を見に行った時のことを、私はお芝居の帰り道に、ふっと思い出したのでありました。


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テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

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