クラシック音楽コンサートとは何か・前半

  『グレン・グールド――孤高のコンサート・ピアニスト』中川右介(朝日新書)

 グールドについて基礎知識をお持ちの方なら、この本のタイトルの副題の方を見て、ちょっとおやっ?と思われると思います。なぜなら、グールドは、コンサートを嫌い、音楽活動の半分くらいの時にコンサート活動をやめたからですね。グールドは、コンサート・ピアニストをやめたピアニストなんですね。

 本書のはしがきに、簡単なグールドの年譜があります。

  1932年 誕生
  1944年 一般の聴衆の前にデビュー
  1956年 レコードが大ヒット
  1964年 コンサートから引退
  1982年 死去

 こんな感じになっています。だからまぁ本書は、あえてみんなの逆を行く、というコンセプトの本であります。
 私は全体としてはとても楽しくこの本を読んだのですが、読んでいる途中、細かい部分について何度か、ふーむと考えることがありました。
 例えばこんな個所なんですが、これは、グールドが、同じくピアニストであるアルトゥール・ルービンシュタインと対談した時のやり取りだそうです。

 グールドが「二度とコンサートはやりませんよ」と断言すると、「君は本当に、聴衆が発する、あのきわめて特殊な気といったものを、ほんの一瞬でも感じたことがなかったのかい」と質問した。
 グールドはきっぱりと言った。「本当になかったのです。実際、聴衆がいるせいでいつも演奏がよくなかったんです。」


 ……どうですか。まぁもっとも、グールドはちょっと、というか、かなりかなり独創的な性格の方であったようですから(もちろん優れた芸術家は、そのほぼすべての方が「独創的な性格」と言えるような気もしますが)ごくごく特殊な意見なんだろうとは、普通は考えるんですけれど。

 ところが、別の個所にこんな事が書いてありました。

 「前列左手ではご婦人がブレスレットをじゃらつかせ、右手では誰かがスコアを追いつつ(ただしページが間違っている)、プログラムで拍子を取っている(ただし狂っている)。後ろの席では、誰かが駐車場が確保できなかったらしく、そのことを隣の客にぶつぶつとこぼしている」

 ……っと、いうところで、すみません。
 次回に続きます。


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)