古いアメリカ映画を見た

 わたくし、「古い日本映画を見る会」の一人会員でありまして、今までにも何度か本ブログにそういった駄文を綴ってきましたが、ある日ふと気づきました。
 別に、日本映画でなくてもよかろう、と。

 実際よく考えたら、私が若かりし日には、日本映画より洋画を中心に見ていたではないか、もっと言えば日本映画はどちらかといえば馬鹿にしていたではないか、と。(日本映画を馬鹿にしていたうんぬんは、もちろん若かりし日の私がひとえに愚かであったせいで、何ら日本映画のせいではありません、……と、思います。)

 ということで、早速『卒業』のDVDを見ました。
 なぜ『卒業』かというと、冒頭にあるように私は「古い日本映画を見る会」の一人会員であるんですが、同時に「古いロックンロールを聴く会」の一人会員でもあったりなんかして、ちょっと前にアマゾンでサイモン&ガーファンクルの古いCDを買ったばかりだったからです。

 ということで、『卒業』でありますが、うーん、キャサリン・ロスはやっぱりめっちゃかわいいやんけーという感想を得ました。
 
 次にミセス・ロビンソンですが、この女はかなり「悪者」やねという感想も得ました。この女の欲望が、2つの家族の崩壊と2人の未来ある若者を路頭に迷わせたのは確かであります。

 しかし、どーも私の若き日の記憶には、この方がそんなに「悪者」であったという印象がないんですね。ちょっと火遊びの度を超してしまったマダム、というくらいのイメージ。
 ……ふーむ、なぜなんでしょう。私は考えたのでありました。

 しばらく考えて、わかりましたね。
 なんだそんなことかと思ったのですが、初めてこの映画を見たときの私は、20歳のベンジャミンであったということです。

 主人公ベンジャミンは20歳の青年として作品に現れ、一週間後に21歳になる設定で、そしてその頃ミセス・ロビンソンと不倫の関係になります。
 彼が童貞を失うシーンは、実に穿って面白いです。

 作品の後半ベンジャミンは、ミセス・ロビンソンとの関係は全く無意味だと言いますが、童貞青年が熟女の手ほどきに従ってそれを失うという物語は、古来より世界に広く共同幻想のように分布する、実に「有意味」な「神話」であります。

 わたくし思うんですが、ベンジャミン青年は、人生の入り口で待ち伏せられていた「悪意」の塊のようなミセス・ロビンソンのことを、20年、30年、いえ50年後には、若き日の戦友のように、生死をかけた戦場を共に経験した親しみを込めて、きっと懐かしく思い出すに違いありません。
 それとも、こんな私の感想は、無意味なものでありましょうか。


にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

テーマ : 映像・アニメーション - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)