揚羽蝶飼育綺談・前半

 5年前ですかね、庭に檸檬の木を植えました。
 なんのために植えたかと言いますと、揚羽蝶に卵を産ませるためにです。
 柑橘類の木にしか、揚羽蝶は卵を産まないんですね。

 まず柑橘類の木を植えて、それを大きく育て、そこに揚羽蝶に産卵をさせ、そして揚羽蝶を孵そうという、なんというか遠大と言うより、どこか間が抜けたような計画を立てたわけですね。

 しかしおかげさまで檸檬の木はすくすくと育ち、2年目くらいから揚羽蝶が卵を産み始めました。一方めでたく檸檬も実り、私はチューハイに自家製の檸檬を入れて飲むことができるようになりました。

 揚羽蝶の幼虫というのは、蛹になるまで4回脱皮をします。(以下揚羽蝶についての知ったかぶりは、観察したというよりネットで読んだことが主流です。幼虫が4回も脱皮するなんて、フツーに観察していたって分かりゃしませんよ。)第一齢から第五齢というそうですが、第四齢までは鳥のフン体色です。見事に擬態しています。

 第五齢になっていわゆるアオムシ色になります。とっても綺麗な緑色です。
 本当は眼じゃない眼のように見える黒い点模様も、とても愛嬌があります。
 順調に育っていくと第五齢幼虫はどんどん大きくなって、大人の小指ほどの大きさになります。もりもりと檸檬の葉っぱを食べている様子は、見ていてなかなか飽きません。

 さらにじーっと見ていますと、なんだか少しヘンな気持ちになります。
 ……というのは、なるほど鳥たちがこやつたちをエサにするってのは、誠によく理解できる話であるなという感覚です。

 まるまるぷりぷりしていて、こやつたちは檸檬の葉以外には何も食べずにこれだけ大きくなっています。もしも鳥のようにこやつたちの体をしゃくっと囓ったら、檸檬の香りの体液が、口いっぱいに広がりそうではありませんか。……

 という話をしたら、女房は、彼らに「ジューシー君」という集合固有名詞を与えるようになりました。

 ところが、去年あたりから、鳥フン体色タイプの幼虫はわりと見ても、ジューシー君があまり見えません。見えても小さくて、赤ん坊の小指サイズであります。
 そして並行するように、本物の鳥のフンが、檸檬樹のそばに点在するようになってきたではありませんか。

 後半に、続く。


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