朝寒や子の弁当の玉子焼き

  『俳句への道』高浜虚子(岩波文庫)

 晩年の虚子(昭和20年代後半くらい)が、次女星野立子の主宰する『玉藻』に連載した俳話をまとめたものです。まぁ、名を遂げた者の余裕といいますか、俳句界の「ドン」の、ちょっと苦笑をしてしまうような「自慢話」ではあります。

 言っていることは一つだけです。

 俳句は「花鳥諷詠」と「客観写生」である。

 これしか言ってません。これだけを、いろんな言い回しで、言い換え言い換え繰り返しています。
 でも実際、虚子に対抗する勢力が、現れては消えていったという歴史を見ていくと、確かにこの「ドン」、威張るだけのことはあるかな、という気は、しないでもありませんね、やはり。

 で、こんな「ドン」の話を読んだ後で俳句を作ってみると、「件名」のようなのができました。

   朝寒や子の弁当の玉子焼き

 まーこのー、この句ではできが悪すぎるんで、ちょっと申し訳ないながら、傾向としては、やはりぼけたような俳句ですね。

 でも、虚子の話を読んでると、こんなぼけたよーなのが、なんとなくいいんだという気に(上記俳句が良いというのではないです、当たり前ながら。この「傾向」についてです)なってきます。えらいもんですねー。

 季語の斡旋(「斡旋」という言い方をするんですかね。江國滋はそう書いていました。)と、客観写生のとりあわせですわ。でもこれは、「オタク」そのもの、はっきり言って「道楽」の世界ですね。

 でもそこで居直ったのが、いいか悪いか判断の分かれるところでありながらも、きっと虚子の偉いところではありますね。こういう居直りの仕方は、なかなか凄みのあるものであります。やはり、偉いんでしょうね。

 というわけで、「花鳥諷詠」は少し苦手ですが、「客観写生」は少し面白いかも知れません。ちょっと、頑張ってみようかなとも思います。


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