素晴らしき演奏の後に……(その3)

 ……えー、同一話題で3回目になってしまいました。
 かなり微妙な意見表白でありますゆえ、さっと書いてさっと終わる予定だったのですが、誠に申し訳ありません。今回で必ず終了いたします。

 さて、私が先日ブルックナーの交響曲第5番の演奏会を聴いて、その帰途に少々考えたことであります。
 今考えてみれば、あの時の曲が大概長いブルックナーの5番だったせいもかなりあるとは思いますが、演奏終了後、指揮者が何度か舞台を出たり入ったりするその中に、観客に演奏者への拍手を促す「イベント」といいますか慣習的行為があることについて、心の狭いわたくしは、「ちょっといやなんですね」と感じてしまったという話題でありました。

 私なりに、指揮者の思いも我々観客の納得も、理解していないわけではありません。
 しかしあの身振り入りの指揮者のイベントは、ちょっと別の方法がないものかなと私は考えたのでありました。
 (あれって、本場欧州で昔からあった「イベント」なんでしょうか。でも例えばフルトヴェングラーが、あの身振りでにこにこしながら観客に拍手を依頼するシーンなんて到底想像できないんですがー。)

 例えば、クラシック以外のコンサートではどうなっているでしょうか。
 長くクラシック以外のコンサートに行っていないので最近のものは分からないのですが、時々テレビで放映していたりするコンサートを思い出しながら考えますと、たぶん、ボーカル(あるいはグループのリーダー)がメンバーの紹介をする、ってのがポピュラーなんでしょうかね。

 ボーカルというのはグループの場合がそうで、元々一人で歌っている歌手の場合は、彼がそのコンサートにおけるバックバンドのメンバー紹介、ってことになりますね。

 このタイプの演奏者の紹介は、再三書いて申し訳ありませんがクラシックコンサートの指揮者による身振り入り拍手依頼の「違和感」に比べますと、私はそれこそずっと自然で共感的に思います。
 あれと同じことができないものでしょうかね。つまり指揮者が演奏者のメンバー紹介を次々にしていくというシーンは無しなのかな、と。

 ……と思いついてその状況をあれこれ想像して、そしてわたくしが到達した感想は、実はとても否定的なものでした。
 つまり、指揮者は楽団員の名前をことごとく諳んじているものであろうか、と。

 たぶん、ご存じないでしょうね。
 ご自分が主席指揮者であるオケならかなり名前は覚えているとしても、それ以外のケース(またそんなケースがとても多そうですが)なら、まず楽団員の名前なんて覚えていないでしょう。指揮者はスコア読みに忙しいのに。

 でも、せめてこれくらいのことはできませんかね。
 つまり、まずマイクは絶対必要です。これによってあの訳の分からない指揮者の身振りが無くなります。それだけのためにもまずマイクは絶対必要。

 次に、演奏が始まる前にあらかじめ観客に拍手を依頼する楽器を決めておくこと。
 これだって、指揮者はしっかりスコアを読み込んでいるんだからここがヤマの部分で一番難しい所だ、ここを頑張って堪えてほしいくらいは楽々分かるはずですよね。
 そしてその部分を演奏する者の名前だけを覚えておくんですね。
 これなら一人だけの名前の暗記でいいのですから、これもいけるでしょう。(しかし、万一そんなサビの部分の演奏に見事に失敗する輩がいるかも知れないから、何人か予備の名前も覚えておく必要があるかも知れません。)
 すると、こんな感じになりますね。

 「今日の演奏の最もヤバかったプレーヤー。ファゴットの○山×彦! 30年間ファゴットばかり吹いてきた男です。今日もガンガンに素晴らしい演奏を聴かせてくれました。拍手、ヨロシク!」
 そして指名された○山×彦は、立ち上がってファゴットを1フレーズか2フレーズ吹きます。観客のどよめくような拍手。
 (紹介は、たぶん一人か二人でいいですよね。多すぎると名前を覚えるのが大変です。)

 盛り上がりますよー。
 これ、誰か関係者の方、真剣に検討していただけませんかねー。


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素晴らしき演奏の後に……(その2)

 前回の続きです。
 ちょっと、微妙にナーヴァスな話題を取り上げておりまして、きっと反対意見の方もたくさんいらっしゃるだろうなーと思いながら述べております。(困ったことです)

 異なるご意見の方、お怒りのコメントなど送らないでくださいね。
 当方、もともとそんなに頭の回る人物ではない上に、近年加齢のせいでいろんなところのネジが緩んできておりますから。

 ということで、クラシック音楽会のある慣習について、わたくしのごく個人的な思いを述べさせていただいたのが前回の内容でした。

 で、いきなり前回の続きに入りますが、私が「ちょっといやなんですね」と感じるのは、演奏後の何度かの指揮者の出たり入ったりの中での、指揮者が観客に対して演奏者への拍手を促す手振り身振り入りのあのイベントのことであります。

 例えばトランぺッターへの拍手の依頼について、指揮者はトランペットを吹く身振りをして演奏者を指摘し、観客に拍手を依頼します。そして観客の拍手。

 ……えー、そもそもあの指揮者の行為には何か名前が付いているのですかね、わたくし物知らずゆえ存じ上げないのですが。
 またクラシック音楽会観客の方々は、あの動作にそんなこと(つまりちょっとした違和感めいたもの)をお感じになることはないのでしょうかね。

 ……うーん、私の述べていることは本当にごくごく個人的な感想だなー、と自分でも思うのですが、私があのイベントのちょっといやな原因の過半は、ひょっとしたら指揮者の身振りのせいなのかなー、と。

 ただ、私はそれを単にいやだなというだけではなく、さらにあれこれと考えたのですが、指揮者があの行為をなさる気持ちはとてもよくわかる、と。

 それは、今回の演奏でその楽器の演奏者が素晴らしい演奏をしてくれたことに対する素朴な感謝の気持ちだ、と。そしてこの思いは指揮者である私だけではなくきっと観衆もそう思っているはずだ、と。だから観衆に、演奏家への拍手を促そう、と。

 なるほど、その気持ち、何となく分かりますよね。
 指揮者が、さあここからがこの歌の最大の聞かせどころだ。お願いだからホルン、ひっくり返らないでくれよと祈るような気持ちで指揮をしていたら、ホルン奏者が見事に音がひっくり返ることなく演奏したら、誰だって演奏後よくやったと褒めてあげたくなりますよね。

 全く問題のない指揮者の感情の発露であります。文句を言う所はどこにもない、と。
 いえ、再三述べてますように、私のは「文句」というようなきつい感情ではないんですね。「ちょっといやなんですね」という程度の。

 では、さらに私が何をあれこれ考えたかと申しますと、……えー、すみません。
 次回に述べさせていただきます。


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素晴らしき演奏の後に……(その1)

 先日、ブルックナーの演奏会に行ってきました。
 とっても迫力のある、素晴らしい演奏会でありました。
 ところがその演奏会の余韻に浸りながらの帰途に、少々ああでもないこうでもないと考えていたことがありました。
 ちょっとそれを綴ってみたく、以下、書いてみます。

 まず、演奏そのものの不満ではありません。
 それは、実はわたくしがかなり以前から思っていたことなんですね。別に不満というほどのものではないのですが、何といいますかどこか馴染まないとでもいいますか、もう少しはっきり書きますと、ちょっといやなんですね、という程度のことです。

 何のことかといいますと、演奏が終わってその後、指揮者が観客の拍手に(一応)導かれて舞台を出たり入ったりなさいますよね。いえ、あの慣習そのものについては、さほどいやではありません。まー、あんなものなんだろうなと思っております。
 昔の本場ヨーロッパでは、あの出入りを10回も20回もしたものだとか、はなはだしい時には50回くらいもおこなっていたとか、何かの本で読んだ気がします。

 だから、音楽会でもお芝居でも伝統として古今東西、舞台が終わった時はあんな類のことをするんだろうなと、わたくし思っていたんですね。

 ところが少しばかり前、歌舞伎の舞台を見に行きましたら、確かにお芝居の始まる前には「口上」というんですか、役者の方が喋ったり観劇のお礼をおっしゃっていましたが、お芝居が終わった時はそのまんま、本当に見事にさっと終わっていました。

 その時の私の感想を申しますと、とっても潔くって気持ちよかったですねー。
 何か思いがけなく広い原っぱに出たような気がしました、それこそ余韻たっぷりに。

 さて今回の音楽会、ブルックナーです。交響曲第5番でした。大概、長い曲ですよねー。
 本当にいい曲でいい演奏でしたが、でもふたたびはっきり言いますと、80分にもなる曲が終わって、みなさんお疲れでしょう。

 みなさんというのは、指揮者、演奏者、裏方の方、そして私たち観衆のことです。
 あの出たり入ったりも、大概でいいですよね。回数が多けりゃいいというのは、クラシック音楽会が本当に次世代に伝えるべき素晴らしい伝統、とまではいえないでしょう、そんなことないですか。

 でも私の本当に「ちょっといやなんですね」は、実はそのことではないのであります。
 いえ、全くそのことではないこともないのですが、次回、それを書いてみますね。


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大寒や ウルトラライト 有り難く

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 特定の商品を宣伝するのではありませんが、
 世の中あれこれ便利になってきたなぁと思います。
 だって、本当に、
 ほとんど寒さ知らずですよ。

                     秀水


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顧みて 春のいそぎを したためん

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 言わずもがなですが、
 「いそぎ」ってのは、
 「準備」って意味です。

 なに、
 私もさっき
 調べたところなんですが……。

                    秀水


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燎原の 火の如くあり 風邪休暇

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 ここ数日、少し寒さ緩んだ日々ですが、
 一時はかなりの寒さで、
 職場でも、私の前後左右、
 バタバタと討ち死に。
 来ている人も、マスクにコンコン。

 「負け戦」って、
 こんな感じだったんですかねー。

                  秀水


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女性チェロ奏者のこと

 数年前から、関西のあるオーケストラの名曲コンサートのようなステージを年間で通しで買って、今年もほぼ半分くらい聴いてきました。
 毎回同じ席で聞くことができるのですが、今年は幸か不幸か一番前の席で(言い忘れましたが、さほど高価なチケットではありません)、コンサートマスターの革靴が、ほぼ視線の2メートルほど先にある席です。

 ……えー、ちょっと、補足をさせていただきますと、上記の「幸か不幸か」という表現の「幸」の部分は、あ、この方、高そうな靴を履いていらっしゃるなーとか、メンバーの方同士でぼそぼそとおしゃべりをなさっているシーンが目の前で見られるというところで、「不幸」という部分は、まぁ、なんといいますかー、曲のアンサンブルがバラバラに近い、特に管楽器の小さな音が聞こえないというあたりですかねー。

 というわけで、何度かそんな席で見ていると結構いろんなことに目が行って、ふーん、なるほどねーと思ってしまうことがあります。
 例えば、第一ヴァイオリンというのは本当にいつもよく音を出しているものだなーという事が聴いているだけでなく見ていても(他のパートの方々と見比べて)思います。さらにそんな第一ヴァイオリンでも、やはり弾いていない部分もある、という当たり前ではありますがまさに生き生きと実感できたりします。

 さてそんな風にして見ているんですが、私の視線6メートルくらい先でしょうか、そのあたりにチェロ弾きの方々がいらっしゃるのですが、そのお一人が、ショートカットのちょっとかわいい女性チェロ奏者でありまして(一応パンフレットで名前のチェックもしましたが)なんとなく視線が彼女に集まってしまうのは、別に私のせいというほどの悪行ではないですよね。でも、つい見てしまったりします。

 そこで先日のコンサートにおきましては、どうせつい見てしまうのならば、ひとつテーマをもって彼女をじっくり見てやろうと、いえ、ちょっとその事実だけに注目すればストーカーっぽくも感じられそうですが、いえいえ、そんな邪念の行為ではありません。

 私が彼女の姿を見ることに抱いたテーマは、そもそも演奏者は演奏中にどの程度指揮者に注目するのかというテーマであります。(ね。ストーカーっぽくはないでしょ。純粋に音楽的興味の発露でありましょう。)
 そうしてわたしは、奏でられた一曲中、ずううっーーと彼女の視線を見ていました。

 で、分かったこと。
 演奏者が指揮者を見るのは各楽章の初めと終わりあたり3~4秒ずつくらいだけ。あとは、なんか気の迷いみたいにふらふらと迷うように視線が行くだけ。

 ……ふーむ。
 ということはなんですかね、彼女にとって、指揮者からの指示とは、一曲中たぶん1分にも満たない時間の内容のものにすぎない、少なくとも本番においては、と。

 さらにさらに、この観察結果をオーケストラの演奏者全員に敷衍しますと、結論は多分こうなってしまいます。
 いわく、演奏に指揮者はほぼいらない、少なくとも本番には、と。

 ……えーっと、言わずもがなのことですが、これはわたくし、冗談で書いているんですがー。……。


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冬浜や諍い事もありながら

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 「諍い事」といっても、いえ、
 女房とちょっと喧嘩をした程度のことなんですけれど。
 久しぶりに見に行った冬の海は、
 その日が快晴に近い天気だったおかげで、
 とても明るく、
 …でもやはり、冬の海で、
 なんとなくそんな気持ちが、
 つい、
 「諍い」と書いてしまったということです。

                    秀水


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あの頃の 燈火親しき 今宵かな

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最近どうも情けない話ですが、
読書量が落ちてきたなぁ、と。

もちろん数を読めばそれでいい、
などとは思ってはいませんが、
しかし少なくなったなぁと気づくことは、

それは何となく、寂しいものであります。

                 秀水


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木犀や もどかしき頃 思い出す

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昔、我が家にあったのですが、
その後、屋移りしました。

数年前に苗木を植えたら、
なぜか翌年、枯れてしまいました。

そして2代目が、3年目にやっと、
細々ですが、花をつけました。

すでに街中いろんなところから、
一杯薫ってきているんですが……。

                     秀水

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